2024年11月20日お知らせ
森六ホールディングス株式会社

各位

森六テクノロジー株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：森田 和幸、以下：森六）は、国立大学法人 富山大学の河原 雅典教授（人間工学・働態学）との産学連携研究を通じて、災害発生時などに避難困難者を背負って楽に搬送できる「Rescue Back Ride Carrier “Shoyrier -ショイリア-TM”」を製作し、11月19日に静岡県伊豆市の特定非営利活動法人「土肥の暮らしを支え合う会 きずな」へ寄贈いたしました。

森六は、「地球環境への配慮や地域に根差した企業活動を通し、良き企業市民として社会に貢献する」を行動指針に掲げ、2021年から社会課題を解決する開発に取り組んでいます。この度、富山大学の河原教授が研究される災害時に支援を要する避難困難者を円滑かつ迅速に安全な場所へ運ぶ搬送具に関する内容に触れ、人命救助への思いに共感するとともに、自動車用内外装部品の製造で培ったしなやかで軽量かつ強度を備えた素材に関する技術やノウハウを活用できると考え、2022年より“少ない身体的負担で人を運ぶ背負子”の共同研究をスタートしました。

避難困難者を搬送するには、おんぶする、肩を貸す、リアカーで引いて運ぶなどさまざまな手段がありますが、車輪のついた道具は災害時に使えない場合が多く、体力を要するおんぶで搬送することが少なくありません。そこで、日本古来の伝統民具である「背負子」の知恵を活かし、少ない力で楽に人をおんぶし搬送できる「ショイリア」を開発しました。「ショイリア」なら、背負う、降ろす、休む、交代するなどの動作を素速く、安全に行えます。

森六は、河原教授とともに高齢者用の歩行補助具や車椅子を分解して調査するなど、搬送具に関する独自の試験要件を作成するとともに、自動車用部品の設計と共通する荷重解析やモデリングを繰り返すなどの改善を重ねることで、構想から8代目のモデルとなる本寄贈品は初期モデルの総重量に対し半分以下となる6kgまで軽量化を実現しました。

寄贈先である伊豆市の「土肥の暮らしを支え合う会 きずな」は、人口3,572人に対し65歳以上の高齢者が1,764人（高齢化比率約50%）と少子高齢化が進む土肥地区で、高齢者が防災意識を高め、お互いに助け合う活動を支援しています。寄贈された「ショイリア」は、特別養護老人ホーム「土肥ホーム」にて管理され、いつ発生してもおかしくない地震や津波、豪雨水害など、災害時の救助活動に備えます。

森六テクノロジーは、これまでに培った技術を応用し、今後も地域や社会のニーズに還元する社会貢献活動を強化していきます。

森六テクノロジー株式会社は自動車の樹脂成形部品から機能部品まで、製品の企画から設計、金型設計・熟成、試作・試験、量産にいたるまでを一貫で行い、複雑化する自動車業界のニーズに応えるQCD（品質・コスト・納期）の揃った製品を多彩な技術で提供しています。