先駆けたグローバル化

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「大胆」かつ「冷静」な海外戦略―いち早く北米へ、そしてアジアへ

森六が世界に踏み出した第一歩は1986年。北米での自動車部品生産から始まりました。世界情勢を見据え、好機を見極め、しかるべきタイミングでひるむことなく適切なリスクを取る。そんな森六のグローバル戦略を、現地生産の広がりとともに振り返ります。

クライアントとともに始動した海外生産

1980年代後半、バブル景気のもと多くの日本企業は積極的な海外投資を行い、本格的なグローバル化の波が訪れます。自動車業界では、1960年代以降、アメリカ市場で日本の自動車販売数が急増します。日本製自動車の品質向上や、魅力的な新製品の開発といった企業努力が実を結び、さらには欧州各メーカーの貿易摩擦の激化という追い風もありました。

森六(現・森六テクノロジー)の主要取引先である本田技研工業株式会社(以下、ホンダ)も、1982年にアメリカでの自動車生産を開始。部品の現地化率を引き上げることで貿易摩擦を回避しようというホンダの戦略に応じるため、森六も現地生産に乗り出します。クライアントにとって部品工場が近いことは、関税やFXのリスク回避、輸送コストの低減など、数多くのメリットがあります。もちろん、そこには「お客様の近くで対応したい」という森六の思いもありました。

1986年、森六はオハイオ州にGreenville Technology, Inc.(GTI)を設立。当初はアメリカホンダモーターを含む3社の合弁会社としてスタートしましたが、1993年に100%子会社としました。1996年にはカナダにListowel Technology, Inc (LTI)を、2000年にはアラバマ州に北米3つめの生産拠点Rainsville Technology, Inc.(RTI)を設立。わずか15年ほどのうちに、北米市場における大規模な生産体制を構築したのです。

Greenville Technology, Inc. (GTI)にて製品初出荷の様子GTI設立の翌年である1987年には自動車部品の出荷を開始。設立から4年で、累損を一掃しました。

写真:Greenville Technology, Inc. (GTI)にて製品初出荷の様子

冷静なリスク分散とひるまない投資判断

アジアに目を転じてみると、1980年代の終わり頃から、中国や東南アジアに進出する企業が急増。アジア地域の所得水準があがりインフラが整備されることで、モータリゼーションの訪れも予感させました。

そうしたなか森六は、1994年にMoriroku Philippines, Inc.(MPI)をフィリピンのマニラ郊外に設立。2年後の1996年にはMoriroku UT India Pvt., Ltd.(MUI)をインドのデリー郊外に設立し、アジア地域での生産体制を着々と整えました。さらに21世紀になると、森六は中国への進出を活発化。2001年、広州に「広州森六塑件有限公司」、2004年には武漢に「武漢森六汽車配件有限公司」を設立しました。近年になって、中国のほかに工場を設置してリスク分散を図る"チャイナ・プラスワン"という動きが広まりましたが、森六は当時からすでに実践していたといえます。

また、リーマンショックによって自動車業界が大きな打撃を受けるなかでも、森六はグローバル展開を加速させました。北米や中国が一時的に落ち込んでも、中長期的に見れば世界における自動車市場の要であることは揺らがないという冷静な経営判断でした。確固たる決心のもと、2009年、GTIにMoriroku Technology North America (MTNA) を設置。北米の生産統括のほか開発組織としての役割を持たせました。2012年にはGTI第二工場も新設します。同時にアジアでも生産拠点の新設や既存工場の増強を進めました。2010年にはタイにMoriroku Technology (Thailand) Co., Ltd.を、2012年にはインドネシアにPT. Moriroku Technology Indonesiaを設立。チャイナ・プラスワンを超えるチャイナ・プラスフォーの体制を整えたのです。

現地生産の更なる深化でグローバル展開を加速

常に時代の先を読み、景気後退のなかでもひるむことなくグローバル化に邁進してきた森六グループ。世界の各市場やお客様の近くで生産供給し、地産地消に貢献する生産・開発体制のもと、森六の海外売上高は、いまや全社売上の2/3に達しています。すでに北米の開発・設計機能は日本に近いレベルにあり、中国、タイについても強化の途上にあります。現在では、海外の現地社員を日本に長期滞在させて育てたのち、知識や技術を本国に持ち帰ってもらうといった取組みも始めています。こうして現地生産の深化を図りながら、森六の海外展開は更なる加速を続けていきます。

Moriroku (Thailand) Co., Ltd.の社員たち日本と世界各国の現地法人との間で、積極的な人材交流を通じた技術力強化に取り組んでいます。

写真:Moriroku (Thailand) Co., Ltd.の社員たち

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