トップメッセージ
株主の皆様には、平素より当社グループに格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2025年4月1日、森六ホールディングスは、事業会社である森六テクノロジー、森六ケミカルズの事業を統合し、「森六株式会社」として新たな一歩を踏み出しました。メーカー機能と商社機能を融合した一体経営により、シナジーを最大限発揮することで、成長を加速してまいります。
2025年3月期の振り返り
自動車業界では、為替が円安基調で推移する中、日本や北米は堅調に推移しましたが、中国やアジアでは販売が落ち込み、厳しい事業環境となりました。化学品業界も、中国の需要減退等を背景に市況は弱含みとなりました。
このような事業環境のもと、売上高は、日本や北米の堅調な需要に支えられ、1,461億円(前期比0.4%増)となりました。営業利益は、コスト改善や販売価格の適正化に努めたものの、中国やアジアの減産が影響し、41億円(同27.5%減)となりました。
また、収益力向上を目的とした構造改革の一環として、業績が低迷していたメキシコ子会社の譲渡を決定し、中国では固定資産の減損処理を実施しました。これにより、合計117億円の特別損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は78億円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益30億円)となりました。
2025年3月期の業績は非常に厳しいものとなりましたが、不採算部門の整理に目途がつき、今後の成長に向けた基盤整備ができたと考えています。
2026年3月期の見通し
2026年3月期の業績予想は、売上高1,370億円(前期比6.3%減)、営業利益 50億円(同20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益32億円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失78億円)を見込んでいます。為替については、1ドル140円(前期比△12.6円)を前提としています。
円高の影響により売上高は減少する見通しですが、前期に計上した一過性の特別損失がなくなることに加え、販売価格の適正化や高効率生産体制の拡充に取り組むことで、収益性は改善し、増益を見込んでいます。
なお、アメリカの追加関税の影響は、先行きが不透明ではあるものの、業績予想に織り込むほどの影響は想定しておりません。
株主還元
配当については、業績に左右されない継続的かつ安定的な配当を実施するため、DOE(自己資本配当率)を指標とし、2028年3月期にDOE 3.0%の水準まで引き上げる方針としています。
当該方針に基づき、2026年3月期は年間配当115円(中間配当57.5円、期末配当57.5円)、DOE2.7%を予想しています。
中長期的な成長に向けて
創業362年を迎えた当社グループは、時代とともに変化する課題に応え続けていくため、長期的な視点で企業のあり方を再定義し、2035年ビジョンを策定しました。当社グループは「ものづくりの技と化学の力で、社会に価値あるソリューションを提供する」ことをミッションとし、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
この2035年ビジョンを実現するため、2026年3月期より、第14次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を始動しました。第14次中期経営計画では、「アジリティ経営で未来を拓く」を基本方針に掲げ、変化に敏捷かつ柔軟に対応することで、組織の適応力と競争力を高めます。また、成長が見込まれる分野への重点投資と事業構造の高度化を推進するとともに、事業戦略とコーポレート機能戦略を一体的に展開することで、2035年ビジョンの達成を目指してまいります。
財務面では、2026年3月期に営業利益50億円、ROE5%以上を目標に掲げ、最終年度となる2028年3月期には、営業利益伸長率110%以上(2026年3月期比)、ROE6%超を目指します。さらに、非財務目標として、社員エンゲージメントの向上、女性管理職の登用拡大、CO2排出量の削減の3項目に数値目標を定めています。
今後も、持続的な成長と企業価値の向上に向けて全力で取り組み、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループを目指してまいりますので、より一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。