生産事業本部長メッセージ
現場の力を礎に、機動力で変化に挑む
第14次中計の初年度となった2026年3月期は、中国・アジアにおける主要顧客の減産や一部事業の売却の影響を受け、売上高は前期比9.7%減の1,084億円となりました。計画を下回る地域が多く、年間を通して厳しい状況が続きました。それでも、営業利益は前期比35.7%増(一社化に伴う本社費用の配分方法変更の影響を調整した比較可能ベース)の55億円となり、営業利益率については計画水準を確保することができました。これには、販売価格の適正化やコスト改善といった地道な取り組みの積み重ねに加え、一部事業の売却に伴う損失解消や、前期に中国で計上した減損に伴う減価償却費の減少といった構造的な変化も寄与しています。ただ、こうした成果の土台となったのは、各部門・各拠点が変化する環境に粘り強く、柔軟に対応し続けてくれた現場の力です。数字の背景にある一人ひとりの努力を、高く評価しています。
内部施策は概ね計画どおり進捗し、価格適正化やコスト改善によって収益性は向上しました。一方、外部環境の変化により、一部の新規受注・開発案件は当初想定した成果を得るには至りませんでした。これらについては施策の追加・見直しを進め、着実に成果につなげていきます。
今後は、顧客戦略・地域戦略の根幹は維持しながら、HEVの普及や地域別の需要変動といった外部環境の変化を踏まえ、施策の優先順位を見極めながら対応していきます。「顧客ニーズ」「市場性」「自社優位性」が重なる領域に経営資源を集中させ、生産集約による効率化と独自技術による高付加価値化の両立を図るとともに、日本をマザーとしたグローバルな品質保証体制をさらに強化していきます。
相互理解から統合の深化へ──開発力と製造力を掛け合わせ、シナジーを最大化する
2026年4月より、森六ReNovaおよび森六モビリティプロダクツが生産事業本部の傘下に加わりました。私はこの変化を、単なる組織再編ではなく、事業の可能性を大きく広げる重要な転換点と捉えています。現在は開発・技術・営業・購買・品質保証・製造・管理といった各領域で、現場ベースの相互理解を深めています。シナジー創出に向けては、まず互いの強みや課題を理解することが重要です。こうした相互理解を起点に、具体的な連携へと着実につなげていきます。
森六モビリティプロダクツが持つ発泡成形・モジュール化技術をはじめとする開発力と、当社が長年培ってきた製造技術力を掛け合わせることで、相互補完による大きなポテンシャルが生まれます。短期的な収益改善と中長期的な競争力強化に向けた取り組みを同時並行で進めながら、そのシナジーを最大化していきます。そのためにも、権限と責任、意思決定プロセスを明確化し、人材・技術・生産の融合を組織として着実に加速させていきます。
一方で、自動車販売台数のグローバルな成長が鈍化し、先行きの不透明感が増している現実からは目を背けません。需要動向を的確に見極め、成長領域と収益改善領域を早期に明確化した上で、収益性向上と新規部品開発の具現化に組織一丸となって取り組みます。ステークホルダーの皆さまには、この事業ポートフォリオの変化を、森六グループが次のステージへ進む力強い一歩として受け止めていただけるよう、私たちは結果で示してまいります。
