特集 レゾナック モビリティ事業のM&Aによる成長戦略
技術・顧客・人材の強化
森六ReNovaグループとの共創が生み出す次の成長
自動車業界は今、CASEの進展や環境規制の強化に加え、市場構造そのものが大きな転換期を迎えています。部品メーカーには、軽量化・高機能化・意匠性・環境対応といった多様なニーズへの対応が求められています。
森六グループは、この変化を成長の機会と捉え、M&Aを決断しました。なぜ今、M&Aを行ったのか。どのようなシナジーを生み出すのか。そして、そのシナジーをどう加速させるのか。3つの視点から、本M&Aの意義と展望をお伝えします。
M&A対象事業の概要
対象事業は、世界初・日本初の内外装品を手掛け、軽量化・モジュール化において、豊富な実績を有しています。
なぜ今、M&Aを行ったのか?
技術・顧客基盤・人材を強化し、2035年長期ビジョンの実現を加速する
今回のM&Aは、「顧客ポートフォリオの拡充」および「外装樹脂部品の拡大」により、2035年長期ビジョンの実現を加速する重要な戦略です。
森六ReNovaグループは、独自の軽量化技術や大型外装部品技術に加え、当社がこれまで取引のなかった自動車メーカーとの取引基盤を有しており、新たな事業機会の創出と事業拡大が期待できます。
また、人材と知見の融合により、組織力を高めることで、新たな価値創出にもつなげていきます。
どんなシナジーを生み出すのか?
外装領域拡大と技術融合で新たな価値を創出
今回のM&Aにより、森六グループは「外装発泡成形品」「バックドア」「バンパーフェイシア」を新たにラインナップに加え、外装部品領域を拡大しました。また、森六ReNovaグループが持つ高付加価値技術・顧客基盤と、当社グループが培ってきた加飾・量産技術、ケミカル事業の材料開発力・調達力を融合し、技術・顧客・事業基盤の各領域でシナジーの創出を目指します。
どうやってシナジーを加速させるのか?
段階的なPMIで素材から製品までをつなぐシナジーを創出
PMI(Post Merger Integration)を通じて、技術・顧客基盤・ものづくり・人材など、両者の強みを融合し、シナジーの早期創出に取り組みます。
統合初期には事業運営の一体化を着実に進め、その上で、事業・財務・技術・人材の各領域を強化し、売上シナジーの創出・拡大につなげます。同時に、開発・生産・購買・物流・品質といった幅広い領域で連携・最適化を進め、収益性の向上を図ります。
PMI推進者からのメッセージ
森六ReNova株式会社 事業企画部 河上 裕
現在、PMIの推進にあたり、2028年4月1日の完全統合に向けて、森六ReNova側の業務内容の可視化・整理など、基礎情報の整備を進めています。2026年4月より森六グループの一員となりましたが、森六の皆さんは非常に人柄が温かく、話しやすい環境をつくってもらっています。また、自社のやり方を一方的に押し付けるのではなく、双方の良い点を活かそうとする姿勢を強く感じており、大変心強いです。
検討を進める中で、両者に異なる得意分野や業務プロセスがあることを実感します。こうした違いは一見すると課題にも見えますが、同時に統合による価値創出の源泉であると捉えています。引き続き、現場での対話と情報共有を重ね、相互理解を深め、一体感を醸成しながら、PMIを推進していきます。その上で、短期的な成果の積み重ねと中長期的な競争力向上の両立を図り、持続的な成長につながるシナジーの創出に取り組んでいきます。
森六株式会社 生産事業本部 堀越 望東生
PMIは単なる統合作業ではなく、両者が一体となって新たな成長基盤を構築していく重要な取り組みです。現段階では、森六ReNovaグループと森六が目指す姿を共有しながら役割・責任を明確化していくことを、何より大切にしています。各部門と対話を重ねる中で、同じ部門名でも業務範囲や役割が大きく異なるなど、両者の違いが随所に見えてきました。こうした違いに触れるたびに、互いの良い点を取り入れ、新たな価値を生み出すことこそが統合の大きな意義だと感じます。森六ReNovaグループの皆さんの前向きな姿勢にも、大きな手応えと期待を感じています。
森六ReNovaグループが持つ発泡成形技術の独自ノウハウや開発のスピード感、そして森六の安定した事業基盤・加飾などの技術・一貫生産体制。それぞれ異なる強みを掛け合わせることで、シナジーの可能性は非常に大きいと感じています。「どちらが正しいか」ではなく、相手の背景を理解することを起点に粘り強く対話を重ねながら、技術・人材・業務ノウハウの融合とシナジーの創出に貢献していきます。
まずは樹脂加工製品事業の開発・生産プロセスを中心に、知見の融合を図ります。その上で、ケミカル事業とのシナジーの検証やコーポレート機能の統合へと段階的に取り組みを広げ、グループ全体での価値共創を実現していきます。





