社外取締役 辻󠄀 千晶
社外取締役からのメッセージ
弁護士としての経験を踏まえ、社外の独立した立場から業務執行の全体を俯瞰し、将来の重要リスクを早期に把握することが、監査等委員である私の役割だと考えています。執行に単にブレーキをかけるのではなく、リスクを見極めて必要な対応を促し、会社が安心して前に進める環境を整えることが責任であると認識しています。
2025年度は、一社化や事業構造改革、M&Aなど、大きな変革が続いた一年でした。変革期には新たな成長機会を捉える一方で、組織・制度・内部統制が変化に十分対応できているかを検証することが重要です。監査等委員会では、サステナビリティ、DX、ガバナンス、リスク管理、グループ一体運営、内部統制を相互に関連する課題と捉え、見落とされがちなリスクや制度上の課題を早期に把握し、適切な改善につなげることを基本方針として監査を行いました。特に重視したのは、事業統合後に内部統制・コンプライアンス・リスク管理が、実効的に機能する体制となっているかという視点です。事業統合では制度の整備だけでなく、各社が培ってきた企業文化や強みを尊重しながら価値観を共有し、一体感あるグループ経営を実現することが重要です。その意味では内部統制やガバナンスの強化が着実に進む一方、組織文化の定着は継続的な課題だと認識しています。
監査は会議室で完結するものではなく、現場を見て、現場の声を聴くことが重要です。今後も新たにグループに加わった会社の国内外の拠点に積極的に足を運び、社員との対話を通じて強みや課題を自ら確認してまいります。そうした対話の中で改めて実感するのは、人材こそが最大の財産だということです。多様な人材が互いを尊重し、社員一人ひとりが安心して能力を発揮できる組織風土を育むことが、企業価値の向上につながると考えます。今後もそのような環境づくりに貢献できるよう、努めてまいります。
