社外取締役 辻󠄀 千晶
社外取締役からのメッセージ
2022年に森六の社外監査役に就任し、主に監査の仕事に従事しています。私は弁護士(日本およびドイツ、業務歴約40年)業務を続けながら、法科大学院に約15年教授として勤務し、その後、2017年より複数の上場企業において社外役員を務めてきました。そのうちの2社は自動車部品メーカーで、自動車産業に関する知見を深め、独立社外取締役の立場で、いわゆる物言う株主への対応や、TOB案件に関する特別委員を務めるなど、企業の持続的成長と株主価値の向上に資する判断を重ねてきました。
当社の監査等委員会では、常勤の委員はじめ社内の皆様からの的確かつ迅速な情報共有・サポートがあり、社内外の委員が一体となった建設的な議論が行われ、適切な監査が実施されています。
2024年度は、監査等委員会設置会社への移行や一社化、さらに海外事業への新規投資や事業譲渡といった、組織全体に関わる構造改革に取り組んだ一年でした。これらは短期的な運営にとどまらず、ガバナンス体制やグローバル戦略の見直しを迫る課題であり、取締役会メンバーとして役割の重みを改めて認識しました。また、関東、鈴鹿、広州、武漢、タイなどの工場を訪問した際、部品としての強度、機能ばかりでなく、加飾技術の面で美しさを探究されている従業員の皆さんの姿を拝見し、改めて、皆さんのお役に立ちたいとの思いを強くしました。
2025年度よりスタートした第14次中計においては、「アジリティ経営」をキーワードに、柔軟かつ迅速な意思決定、部門間連携の強化、コーポレート・ガバナンスの深化が掲げられています。私自身も、これまで培った法務・国際経験を活かし、法令遵守の徹底と取締役としての監督責任を果たすことで、当社が360年余りの伝統に新たな価値を重ね、未来を切り拓いていく一助となるよう努めてまいります。