インストルメントパネルモジュール開発
インパネ周辺部品のトータルサプライヤーとして
インパネ周りの造形や触感は、ドライバーの感性を刺激して満足度を左右する重要なファクターです。
森六テクノロジーは、エアコンアウトレット(吹き出し口)など可動部品のタッチにも徹底的にこだわり、しっとり滑らかな動きと、しっかりしたクリック感を両立。
ソフトで温かみの感じられる塗装など、バリエーション豊富な加飾技術も加えて、愛着のわくインパネ部品をトータルで提供しています。
技術の特長
先行開発した技術をベースとして、自動車開発の初期段階から顧客のプロジェクトに参画し、インストルメントパネル(以下インパネ)の基本的な骨格を構築していきます。
設計フェーズでは、CAE※を使用して、成形流動予測や剛性予測を行うほか、完成したプロトタイプは自社の試験設備を用いて性能評価を行います。
また、インパネに組み込む周辺部品(グローブボックス類、パネル類、アウトレット・ダクト類など)も同時に開発設計し、組立済みのインパネモジュールとして納入することができます。
CAE(Computer Aided Engineering):研究・開発工程において行われる実際の素材を用いた試作品によるテストや実験に代わり、コンピューター上に疑似的に再現した試作品でシミュレーション解析を行う技術。
インパネモジュール設計技術の特長
インパネ本体と組み込まれる部品を一貫して手掛けることで、以下のメリットを実現します。
- 部品同士の合わせ面における段差や隙間を最小化します。
- 可動する部品(エアコン吹き出し口など)の操作感を統一することができます。
- 色・艶・シボなど、外観の統一感を演出します。
SRS※エアバック用テアライン加工
エアバックが展開する際、破片が飛び散り、乗員に怪我をさせることがないよう、特殊な加工をする必要があります。森六テクノロジーでは、高外観で廉価な最速のSRSエアバッグ用テアライン技術を保有しています。
SRSはSupplemental Restraint System(補助拘束装置)の略
SRSエアバック用テアライン加工技術の特徴
- テアライン加工痕(内側から割れるための切れ目)が表面に現れにくく、高い外観商品性を確保します。
- 従来の加工設備に比べて省電力・省スペースであり、環境負荷の低減につながります。
- 加工サイクルの短縮、塗装レスを実現し、生産コストの低減につながります。
設計から生産まで 森六のインパネモジュール開発技術
CAE解析による成形流動予測~剛性予測
性能評価
開発センター試験設備
工場製造設備
適用事例
インパネモジュール設計適用事例
自動車のインパネモジュール
SRSエアバック用テアライン加工技術事例
自動車インパネ、SRSエアバッグリッドなど
世界市場を見据える「Honda e」のインパネ
ホンダ国内初のEV専用車となる「Honda e」に着座すると、左右一列に広がるディスプレイがまず目に飛び込んできます。
ここには、コストを抑えながら左・右ハンドル車をラインナップするための工夫が隠されています。
例えば、助手席側に設けられるグローブボックス。通常は同乗者の脚部を避けるように湾曲していて、左ハンドル車と右ハンドル車では左右対称の別部品となっていますが、「Honda e」の場合は1種類の部品で、両ハンドル仕様に対応しています。
また、助手席前に並ぶ3つのエアコンアウトレット(吹き出し口)も設計を共通化。地道な工夫で開発コストを抑え、量産効果を最大化しました。
全ての吹き出し口は、欧州のニーズに応じて完全にシャットダウンできる仕様となっています。
ロワーカバーには布地を使ったポケットを配置、親しみを感じさせるインテリアのワンポイントです。
なお、グローブボックスは地味ながら設計難易度が高い可動部品であり、森六テクノロジーの主力製品のひとつです。
「フィット」のインパネ部品、ほぼ全てを森六から
ホンダの量販車種「フィット」では、上級車種からのダウンサイジングで乗り換えるベテランドライバーや、運転免許を取ったばかりの若者など、幅広い客層のニーズに応えるため、限られたコストの中で豊富なバリエーションを用意する必要があります。
森六テクノロジーでは、そうした「フィット」の多彩なインパネ部品のほぼ全てを手掛けています。
画像はバリエーションの一例ですが、助手席側収納リッドからステアリング周辺にかけて配された部品の表面に合皮やファブリック表皮を採用。
少し厚みの感じられるソフトなタッチで高級感があり、最近の流行となっています。ホンダの新型「ヴェゼル」でも多く採用されました。