商社機能

顧客の心を掴む―森六ケミカルズの課題解決力

森六ケミカルズは、「トレーディング」「マーケティング」「物流」という多彩な商社機能を発揮するとともに、それらに森六グループならではの「ものづくり」機能を融合することで、グローバル市場で新たなビジネスを創出しています。ここでは、大手化学品メーカーA社へ提案したソリューションをもとに、ものづくり商社としての強みをご紹介します。

数々の困難を克服して顧客の要望に応える

「A社の担当になって1年。信頼を得ようと足しげく通ってお客様の困りごとに一つひとつお応えし、ようやく手ごたえを感じ始めていました。そんな時です。『化学原料Xが調達できなくなりそうだ』とA社の調達ご担当者が愚痴をこぼすように言ったのは」。営業担当だった藤本 達哉(森六ケミカルズ ファインケミカル部)は、当時をそう振り返ります。

プラスチック素材の製造に欠かせない「原料X」は、必要量の大半を競合他社が納入し、森六ケミカルズの取扱量はごく少量でした。ところが競合が「原料X」の取り扱いを突然止めたため、A社は必要量の確保が困難な状況に陥りました。

A社との日常的なコミュニケーションが功を奏し、いち早く情報を掴んだ藤本は、間髪を入れずに中国の森六上海を通じて現地サプライヤーに「原料X」の増産を手配したといいます。しかし、それは思ったほど容易ではありませんでした。「原料X」の製造に不可欠とされる「材料Y」が別製品の製造工程で副次的に作られる“副産物”であったため、単独で大量生産することが難しかったのです。

「しかも当時は、中国政府が環境規制を強化しており、違反者は操業停止という強硬策を進めた結果、化学製品の生産停止が相次いでいました。でも、当社は優良メーカーに製造を委託していたため、「材料Y」についても規制強化に左右されることなく、なんとか安定確保する目途がつきました」(藤本)

こうした困難を克服して提案したソリューションは、量・コスト・品質・安定供給のすべてでA社の要望をクリアし、「原料X」の供給を100パーセント森六ケミカルズが担うことになりました。

「今後、不測の事態でお客様が困らないよう「原料X」の製造元の多角化を検討しています。例えばEUや日本国内でも委託製造できないか。私たちが提案できることは、まだまだあるはずです」と、藤本は今後の取引拡大にも意欲を見せます。

当プロジェクトの推進リーダーを担った藤本森六ケミカルズの大阪拠点に入社して以来、一貫してファインケミカル領域を担当。受託製造に関するソリューションの提供を得意としています。

写真:当プロジェクトの推進リーダーを担った藤本

本心を引き出すニーズ把握力とグループ間連携

森六ケミカルズの営業担当はフットワークの軽さとレスポンスの速さを第一に心がけています。また、顧客との顔を突き合わせた対話を重視し、日常化することで、相談されやすい環境づくりに努めています。

「相手から本心を引き出したいなら、こちらも本心で向き合うこと。例えば、当社からの提案が他社より劣る場合、それを素直に認めることで逆に信頼が高まる場合もあります」(藤本)

さらに、樹脂加工技術を持つ森六テクノロジーと連携することで、普通の商社であれば不可能な「成型部品による実物テスト」にグループ内で対応することができます。「ケミカルズとテクノロジーの担当者が揃って現場に足を運び、得意先との打ち合わせにも同席するなど、連携は加速しています。新たなマーケットを開拓してそこにある課題を解決するため、グループ一丸となっている雰囲気がありますね」と、藤本も二社のシナジーを実感しています。

森六テクノロジーとの連携森六テクノロジーの仲間と、現物をみながら打ち合わせ。
藤本「私たち森六ケミカルズの提案内容を、ものづくりの観点からも十分に検証できることは、森六グループならではの特長です。商社マンとしてのレベルアップにもつながっていると感じます」

写真:森六テクノロジーとの連携

強固なネットワークと強く太い絆

大手の商社と比べてしまえば、森六ケミカルズの売上規模や従業員数は決して大きくありません。しかし、拠点数の多さと強固なネットワークで機敏かつ柔軟な提案力を発揮し、確かな実績を築いています。そして、サプライヤーとの強い信頼関係があり、いざという時ほど優先して原材料を融通してもらえることが強みです。冒頭で紹介したA社の事例でも、中国の現地サプライヤーとの長年にわたる強く太い絆が成功の要因となりました。

今後も、森六ケミカルズは、ビジネスの上流も下流も知り尽くしたグループの総合力を発揮して、「お客様が探しているもの」と「森六が提供できるもの」のマッチングを拡大させていきます。

デリーオートショーに出展森六テクノロジーと合同で、デリーのオートショーに出展。素材の供給から、コンパウンド技術、成形、加飾まで、グループ一体となってさまざまな機能を提供できるという強みを、インド市場のお客様に紹介しました。

写真:デリーオートショーに出展

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