未来を拓く新素材! カーボンナノチューブの可能性と森六の革新技術

驚異の特性を持つ夢の素材、カーボンナノチューブ(CNT)とは?

カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素原子だけで構成された、直径がわずか数ナノメートルという極めて細い筒状の素材です 。この小さな構造が、信じられないほどの優れた特性を生み出します。

例えば、その強度は鋼鉄の50倍、熱伝導性は銅の5倍、密度はアルミニウムの半分という驚くべき能力を持っています 。さらに、電気を非常に良く通すため、電気伝導率は銅の100倍にもなります 。

近年では、リチウムイオンバッテリー(LiB)の性能を向上させる導電助剤として注目され、CNTスラリーの製造が急速に拡大しています 。

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    CNTスラリーとは、カーボンナノチューブを分散させた液体で、主にリチウムイオン電池や導電性材料の製造に利用されます。

優れたCNTを使いこなすための課題

しかし、この夢のような素材にも課題がありました。特に、比較的安価な多層CNT(MWCNT)は、細い繊維が絡まり合って「毛玉状」になりやすく、均一に分散させることが非常に難しいのです 。

そのまま樹脂に混ぜると、CNTが偏ってしまい、その優れた性能を十分に発揮できませんでした 。これが、CNTがプラスチックなどのコンパウンド材として広く活用されてこなかった主な原因です 。

森六の技術が課題を解決!「高分散カーボンナノチューブ(CNT)マスターバッチ」

写真:凝集物がない高分散状態の為、糸切れを起こさず導電糸の製糸も可能 (直径25μm/マルチフィラメント/体積抵抗率1.0E+4Ω・cm)
凝集物がない高分散状態の為、糸切れを起こさず導電糸の製糸も可能 (直径25μm/マルチフィラメント/体積抵抗率1.0E+4Ω・cm)

森六は、この長年の課題を解決する画期的な技術を開発しました。

国内のパートナー企業との連携により、絡み合った毛玉状の多層CNTを独自の製法でほぐし、凝集のない状態にします 。さらに、このほぐしたCNTを樹脂の中に均一に分散させ、ペレット状の「高分散CNTマスターバッチ」として提供します 。

この技術により、多層CNTが本来持つ性能を最大限に引き出すことが可能になりました 。単層CNT(SWCNT)に匹敵する優れた機能性を発揮しながらも、多層CNTを使用することでコストを抑えることができます。そして、ベースとなる樹脂の物性を維持することも可能です。

「高分散カーボンナノチューブ(CNT)マスターバッチ」がもたらすメリット

森六の高分散CNTマスターバッチは、幅広い分野で大きなメリットをもたらします。

1. 少量でも高い性能を発揮

高い分散性により、少ない添加量で高い導電性を実現します 。

2. コスト削減に貢献

従来の製品に比べて添加量を大幅に削減できるため、原料コストの低減につながります 。

3. 高品質な製品づくり

凝集物が少ないため、製品にブツ(異物)が発生しにくく、美しい外観(意匠性)を保ちます 。

4. 幅広いカスタマイズ性

お客様のニーズに合わせて、CNTの種類、濃度、そして様々なベース樹脂(PP、PE、PA、PCなど)に対応可能です 。

ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、塩化ビニル樹脂(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、シリコーンゴム、エチレンプロビレンゴム(EPDM)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)

「高分散カーボンナノチューブ(CNT)マスターバッチ」広がる活用シーン

この技術は、自動車部品をはじめとする様々な産業分野で活用が期待されています。

自動車関連

電源ケーブル、燃料チューブなど、高い導電性が求められる部品に。

電磁波シールド(ミリ波帯)

電磁波を遮断する特性を活かし、鉄やアルミニウムなどの金属材料の代替として、筐体などに利用できます 。

静電気対策

優れた導電性により、静電気を防止するフィルム等にも応用可能です 。

森六の高分散カーボンマスターバッチが選ばれる理由

  1. 低添加量でも高導電性 → 柔らかさをキープ
  2. 電磁波シールド → 信頼性の求められる用途に対応

森六の高分散カーボンマスターバッチは、「柔らかさ」「導電性」「軽量性」という相反する要素を同時に満たす新しい素材です。
次世代モビリティ、IoT、ヘルスケア、スマートテキスタイルなど、未来を支える分野での活用が期待されています。

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