しなやかに、電気をつなぐ。導電ゴムの新しい選択肢

「導電フィラーをたくさん入れると、ゴムは硬くなる」

これまでの常識が、変わろうとしています。

電子機器や自動車部品、医療センサーなど、私たちの身のまわりでますます増えている「電気を通す素材=導電材料」。その中でも導電ゴムは、しなやかさと導電性の両立が求められる難しい素材です。

従来は、導電性を確保するために多量の導電フィラー(カーボンブラックや金属粉など)を添加する必要があり、結果としてゴムが硬くなるというトレードオフが避けられませんでした。

森六の技術が生んだ「柔らかい導電ゴム」

高分散技術の応用

森六は、非常に優れた導電性能を持つカーボンナノチューブ(CNT)のポテンシャルを、独自の高分散技術によって最大限に引き出すことに成功しました。

この技術により、従来よりも少ない添加量で高い導電性を実現し、同時にゴム本来の柔らかさも保持することが可能に。

こうして誕生した「柔らかい導電ゴム」は、従来は硬さが課題となっていた一部の用途にも適応が期待されており、設計の幅を少しずつ広げつつあります。

低硬度導電ゴム 体積抵抗率×硬度 相関図

森六が開発した「柔らかい導電ゴム」は、低硬度カーボンブラックや金属フィラーと比べて、低硬度と伝導性の両立を可能にしました。

  • 写真:低硬度導電ゴム 体積抵抗率×硬度 相関図グラフ

しなやかに、電気をつなぐ ─ 広がる活用分野

自動車業界:インテリアのシームレス化・デザイン重視

車内インテリアのシームレス化に貢献し、意匠性を高めます。

  • タッチセンサーパネルや静電気対策用パッキン
  • EV部品向けの導電複合材
  • EMIシールド材(柔らかい電磁波対策素材)

医療機器・ウェアラブル機器:肌にやさしく、正確に信号を伝える

生体センサーやリハビリ用デバイスでは、肌に密着しながら導電性を保つ柔軟素材が求められています。
森六の導電ゴムは、低添加量による柔らかさにより、長時間の着用にも適しています。

  • ウェアラブルセンサーの柔らかい電極部材
  • 生体信号検出用パッド
  • 医療用機器・器具の帯電防止

工場・産業機器:静電気除去部材やグラウンディング[注釈]用

製造現場では、静電気による製品へのダメージを防ぐために、静電気除去やグラウンディング(接地)対策が欠かせません。
柔軟な導電ゴムは、機器間の接続部に使えるパッキンやガスケットとしても有効で、複雑な形状や微細な隙間への対応も可能です。

  • [注釈]
    グラウンディングとは、電気回路や機器を地面(グラウンド)に接続することで、電位の基準を安定させたり、ノイズや過電圧から保護するための処置。
  • コネクタ・ケーブルの被覆材
  • 導電性グローブ
  • ガスケット

半導体・クリーンルーム業界:パーティクルを抑えた導電対策材に

極めて清浄な環境が求められる半導体や精密機器の製造現場では、カーボン脱落による異物混入の防止が重要です。
高分散CNTによる導電ゴムは、カーボン脱落の発生を抑えつつ導電性を持たせられるため、静電気対策マットや工具グリップ、柔軟なシール材などへの応用が期待されます。

  • 静電気対策用パッド・パッキン

ロボティクス・ソフトアクチュエーター分野:安全に動く導電部品

人と接触する機会の多いロボットや、柔らかい素材で構成されるソフトアクチュエーターには、柔軟かつ安全な導電素材が必要です。
この導電ゴムは、触れたときのやさしさと、正確な信号伝達を両立できるため、人と協働する次世代ロボットに適しています。

  • ロボットアーム

森六の高分散カーボンマスターバッチが選ばれる理由

  1. 低添加量でも高導電性 → 柔らかさをキープ
  2. 高い分散性と均一性 → 電磁波シールド

森六の高分散カーボンマスターバッチは、「柔らかさ」「導電性」「軽量性」という相反する要素を同時に満たす新しい素材です。
次世代モビリティ、IoT、ヘルスケア、スマートテキスタイルなど、未来を支える分野での活用が期待されています。

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